Turn Up The Radio!第十四夜
ピッ、ピッ、ピッ、ポーン!
(前回のあらすじ)
皆が家族のようと形容される小さな町。そこで郵便配達員をしている男は、町外れの小高い丘の上にある白い小さな家に、半年ほど前から頻繁に手紙を届けるようになった。
届けられる手紙はいつも、差出人はエンゼル氏、宛名はこの家に祖母と二人暮らしのメアリだった。
郵便配達員の男は、一度だけメアリらしき人物を遠めで見かけたことはあるのだが、直接手紙を手渡したことは無い、それどころか彼女の声すらも聞いたことは無かった。
配達のとき、いつもは玄関扉の隙間に手紙を挟んで帰るのだが、扉の開け放たれている春の日にメアリの祖母と会話したことで、配達員の思う“何故?”が少しずつ明らかにされていく。
それと同時に、次々にメアリに届く手紙に対する不可解な疑問も増えていった。
今日も僕は、町のいろいろな人たちに手紙を届ける。
それぞれの手紙がどんな内容なのか、一介の配達員である僕には推し量ることも出来ない。
しかし、良くも悪くも、ひとつの手紙が受け取った人のその後の人生までも左右することがある。
僕は、人々の様々な想いが文字という形を借りて綴られた“手紙”というものには、そうした力があると信じている。
そして、そんな手紙を届けることが僕の仕事であり、使命であり、生きがいでもある。
今日も、あの町外れの小高い丘の上にある白い小さな家へ僕は向かっていた。
少しだけ息を切らしながら丘を登り、目的の家の全貌が目に入ってから、肩から袈裟懸けにしている鞄より一通の手紙を取り出した。
もちろん、エンゼル氏からメアリに宛てられた手紙だ。
その日もあの春の日のように、扉は開け放たれていた為に僕は呼び出しブザーを鳴らし、メアリの祖母である老婦人がキッチンの扉(恐らくそうだろうと思われる扉)から出てくるのを待っていた。
「ん?」
老婦人を待っている間、何気なく手に持っていた手紙を眺めていたのだが、あることに気がついた。
その手紙の差出人住所は、僕の知らない土地のものだった。
この仕事を続けているうちに、行った事のある場所はもちろん、行った事の無い街の名前でもこの国のどのあたりに位置するのかは大体覚えていた。
でも、メアリに宛てられたこの手紙のエンゼル氏の住所にある地名は、未だかつて見たことの無いものだった。
もちろん、海外からのエアメールならば知らなくても無理は無い、でもこの手紙はエアメールではない。
しかし、広大な土地を持つこの国のことだ、僕の知らない地名があったとしてもおかしくは無いだろう。
「知ったかぶりも大概にしないと、笑われてしまうな。」
そんな風に自嘲気味な独り言を呟いたときに、老婦人はリビングの奥にある扉より、いつものエプロン姿で現れた。
「こんにちは、エンフィールドさん。郵便です。今日は少し暑いぐらいの陽気ですね。」
エプロンで両手を拭く老婦人に手紙を差し出しながら、差し障りの無い挨拶を交わす。
「いつもご苦労様です。そうですね、冷え込む一日よりはメアリの調子も良くて助かります。」
「調子?・・・あ、いえ、それでは失礼しますね。」
老婦人に手紙を渡すと、僕は足早に次の配達へと向かった。
そして、丘を下りながら老婦人の言葉を反芻していた。
メアリの調子・・・、確かに老婦人はそう言った。
もしかしたら、メアリは何かの病気を患っていて、あの家の2階に幽閉されているのかもしれない。
そうだとしたら、外出できないことの理由としても分かるし、外出が出来ないのであれば文通相手からの手紙を楽しみにしていることにも納得が出来るのである。
いくら顔馴染みだとは言っても、首を突っ込んではいけないものだと感じたので、あえてそれ以上を聞き出すことはしなかったのだが、差出人住所だけは最後まで頭の片隅に引っかかっていた。
その日の夜のこと、僕は仕事から帰宅すると、夕食もとらずに書斎に引きこもり、あることを調べていた。
(コンコン!)
開いたままにしてあった書斎の扉がノックされる音が耳に入り、扉を背にするように配置された机のイスに座ったまま振り返ると、そこにコーヒーカップとサンドウィッチの乗った皿を持って妻が立っていた。
妻は、机の上に用意してくれた夜食を置くと、心配そうに僕の顔を覗き込んだ。
「あなた、どうされたの?お食事もとらずに・・・、地図帳?」
「あぁ、ごめん・・・。心配をかけたね、どうしても調べたいことがあってね。」
妻が用意してくれた夜食を頬張りながら、今日あったことを話した。
「だめよ?差出人のプライバシーでしょ?・・・。タブーなのでしょう?」
「分かっているよ、あくまで個人的な興味なんだ。今日見た知らない住所が、どこの地名だろうってね。」
その時には、それ以上の詮索をする気ももちろん無かったし、見たことの無い土地名がどこのものだろうという至極単純な興味からの行動だったのは間違いない。
「先に休みますね。お体に障りますよ・・・、あなたもほどほどにね。」
「あぁ、ありがとう。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
彼女におやすみのキスをしてからまた机に向かい、しばらくは地図帳とにらめっこをしていていたのだが、結局は件の住所がどこの土地のものかは分からずに、机に突っ伏して寝てしまっていた。
それから数日後、僕の郵便鞄にはまたメアリへの手紙が入っていた。
いつもどおり、あの丘の上の家に配達に向かうと、ポーチのロッキングチェアに老婦人が座っていた。
「こんにちは。今日も良い天気ですね、メアリへの手紙をお届けに参りました。」
「いつもありがとうございます。そろそろではないかなとお待ちしていたんですよ、これをお願いします。」
そういって老婦人は手紙を受け取ると、僕に新たな手紙を差し出した。
受け取った手紙の差出人はメアリ、宛名はエンゼル氏だった。
「では、お預かりします。良い一日を。」
その手紙を即座に鞄にしまうと、あることを確認したい衝動に駆られ、足早にその場を立ち去った。
配達先へ手紙を届けたついでに、新たな手紙を預かることはよくあることなのだが、メアリからエンゼル氏への手紙を預かることは、メアリへの手紙を配達し始めてから数ヶ月目にして初めてのことだったのだ。
思い返してみれば、文通とは言っても、それが一方的だったのは間違いない。
もちろん、僕の知らないところで、老婦人が町のポストへメアリからエンゼル氏宛の手紙を投函していれば、そんな僕の考えは邪推というものだろう。
しかし、あれほど頻繁に配達に向かう家で、今回だけたまたまタイミングよく手紙を預かったとは思えない。
何より、老婦人の“待っていた”という言葉からもこれが初めての返信だったことは、容易に想像が出来るのである。
僕は、丘のふもとまで到着してから、鞄より先ほどの手紙を取り出した。
「やっぱり、何かがおかしい・・・。」
その手紙の宛名の住所は、数日前にいくら調べても分からなかった土地とは違うものだった・・・。
そして、先ほど配達した手紙の差出人住所は、前回とも、今回預かった手紙とも違うものだったのである。
僕は郵便配達員にあるまじき重大な規約違反を犯した。
言い訳になってしまうのだが、それは、どうしても僕の心に芽生えてしまった疑念を晴らすために仕方の無いことだった。
もちろん、妻にも、局長にも、そのことは話せるものではない。
僕は、老婦人から預かった手紙に配達記録郵便の指定を付けてから、集便担当の者にそれを渡したのだ。
配達記録というのは、重要な書簡などが含まれる手紙を確実に相手側に届けるための有料サービスだ。
集便元、経由局、配達局、それぞれの担当者がサインをした上でその手紙を扱う。我々郵便局側が確実に配達されるように計らう、簡易的な書留郵便のようなものだ。
受取人のサインだけが必要な書留と違い、その手紙の集便、および配達に関わりサインをした担当者は、差出人の依頼があれば配達の行方を各局に確認することも出来る。
しかしながら、僕のこの行動が、更なる疑惑を招くことになるとは、このときは知る由も無かった・・・。
そして、この手紙がメアリからエンゼル氏宛の最初で最後の手紙になってしまうことも、このときには想像すら出来なかったのである。
それからというもの、メアリに届く手紙の差出人住所のメモを取ることが僕の日課となってしまった。
もちろん、この行為も許されるものではない。だが、そうせざるを得ないほどにメアリへ届く手紙には不可解なことが多かったのである。
そのほとんどは聞いたこともない土地のものだったのだが、幾度かは僕の知った土地の住所もあった。
そして、同じ住所から連続で手紙が届くこともあれば、昨日とは違った差出人住所で翌日に手紙が届くこともあった。
局の同僚にそれとなく尋ねたみたこともある。
「なぁ、同じ人に頻繁に届く同じ差出人からの手紙の住所が、その都度違うなんて事、そんな事あると思うか?」
「珍しい事かもしれないが、旅先から出されたものや、いろいろな場所を転々とする職業についていれば、そういうこともあるのかもしれないな。」
同僚の回答は、一応の納得が出来るものだったのかもしれない、でもやはり僕には不思議でならなかったのである。
そしてある日、僕はかねてより計画していたある行動に出た。
そう、あの手紙の配達記録の確認である。
あの手紙を預かってからおよそ一ヶ月、その後もエンゼル氏からメアリへの手紙が届いていることから、配達がされたことは間違いないと思っていたのだが・・・。
時を同じくして、ある噂も僕の耳にとび込んできた。
それを同僚からランチタイムに聞いた時には、その後の食事が喉を通らなかったほどだ。
その噂が本当かどうかは分からないが、町外れの小高い丘の上にある家の住人、メアリの両親が数ヶ月前から行方不明だというのだ。
いくら小さな町とは言っても、老婦人の言うように住人誰しもが家族のような関係で無いのは当たり前である。
ましてや、町外れの丘の上にぽつんと建っている家の住人のことだ。今更になっての噂だとしても、仕方が無いと思えた。
手紙に対する疑念。そして、あの家に老婦人とメアリだけが何故暮らしているのか・・・その片鱗が見えてしまったようで、僕は足取りも重く、今日もメアリへの手紙を届けに丘を登っていった。
(次週放送に続きます)
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『ハルルのTurn Up The Radio!!』
皆さんこんばんは、ハルルでーす。
えと・・・最初にお詫びを・・・。
冒頭のラジオドラマ、今回で完結せずに来週に続いてしまいました・・・すみません(>_<)
今回は物語の起承転結で言えば“承と転”といった感じですね。
今まで放送してきた物語とは違った雰囲気に、「ん?」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
いくつか感想のお便りも頂きましたので、ご紹介しますね!
このお便りは、モグモグシティーにお住まいのニー・ナニーニョさんから頂きました。
『ラジオドラマいつも楽しみにしています。今回はいつもとお話の雰囲気が違っていて、これはミステリー?それとも・・・と、展開を予想しながら楽しんでいます。続きが気になります(>_<)』
そしてこちらは、匿名希望さんからのお便りです。
『ブログラジオの小説をいつも楽しみにしています。手紙を題材にした映画や小説はそれなりにあると思うのですが、ハルルさんのつくる物語も楽しみにしています。』
えと、こちらは、P.N.アクアさんから頂きました。
『今までとは違った話ですね、結末を楽しみにしています。ふと気になったのですが、こちらの話にはタイトルはあるのですか?』
お便りをお寄せいただいた皆さん、ありがとうございました♪
こうして反応をいただけるのって、やっぱり嬉しいですね(^-^)
今回のラジオドラマはジャンルで言うと・・・。
う~ん、やっぱり内緒ですf(^-^;)
ショートストーリーなので、ジャンルを明かしてしまうと結末が簡単に予想できてしまうような気がします・・・。
ただ、確かに今までのラジオドラマとは違った物語になるようにとつくったものなので、そう感じていただけたのをとても嬉しく思います♪
アクアさんからの“タイトルは?”という質問ですが・・・、タイトルは大丈夫かな?
今回の物語のタイトルは「エンゼル氏の書簡」です。
えっ?そのままですか???でも、そういうタイトルなんです。。。すみません・・・(+_+)
メアリに届く不可解な手紙の謎とは?、メアリの両親は本当に行方不明なのでしょうか?、次週で完結します。お楽しみに!!
・・・
本当に、次週で完結するのかしら・・・。
それでは、今夜のBGMをご紹介します。
はい、もちろん今夜も“タイトルは分からないけれど、どこかで聴いたことがあるシリーズ”からこの歌をお届けします。
ロバータ・フラックさんで『Killing Me Softly with His Song』です。(←タイトルがYouTubeにリンクしています。右クリックより別タブか別ウィンドウで開いてお聴き下さい。)
この歌は1972年にロリ・リーバーマンさんという方が発表されているのですが、その時にはヒットせず、偶然この歌を耳にしたロバータ・フラックさんが1973年にレコードをリリースし、ビルボード誌のチャート5週連続1位のほか、グラミー賞なども受賞したヒット曲となりました。
近年のフージーズをはじめ、様々なアーティストにもカバーされヒットしていますので、きっとどこかで耳にされているのではないでしょうか?
ある見知らぬ男性シンガーの歌が、偶然にも自分の人生を表しているかのようだった。
そんな彼の歌は、言葉は、私の深い絶望を知っているかのように私の心に語りかけ、それまでの私を優しく葬り去ってくれた。
そんな風に歌われているこの曲は、優しくも何か切ないメロディが素敵な歌ですよね。
では、お便りを紹介したいと思います。
P.N.青い布地と黄色い腰紐さんからのお便りです。
『俺の描く絵は世界遺産級に素晴らしく、素敵で、豪華で、最高だと思うんですが・・・。皆さんがモデルになるのを何故か遠慮してしまいます。これはみんな照れてるんですよね!』
ん?何でしょう?イラストも同封されていますね。
・・・
えと・・・、裏に「最新作 ウォーダン」って、書かれています・・・。
こちらがそのイラストです。
こ、これって!?も、もしかして!
この版画のような素朴で柔らかいタッチと、人物の憂いのある眼差し・・・。
えと・・・、うわっ!作者のサインも本物ですね!
これは間違いなく、21世紀の新印象派との呼び声も高い、ハレ画伯のイラストではないでしょうか?
ウォーダンさんの肖像画も、ハレ画伯が描くと、ある意味アートになるのですね!
えと、青い布地と黄色い腰紐さん、これは皆さん遠慮されるのもわかりますよ。
だって、ハレ画伯のモデルになるなんて・・・、私も恐れ多くて、つい遠慮してしまいます!なので、皆さんのお気持ちわかりますよ!
そうね、例えるなら・・・。
ラシュモア山ってご存知かしら?
アメリカの歴代大統領4人の巨大な顔が彫刻されている、あの岩山です。
自分は一般人にもかかわらず「あなたの顔も大統領たちの隣に彫りますよ?」と言われても、ほとんどの方が遠慮されると思います。
そんな感じかしら?(^-^;)
でも、オル○ガさんとク○オレさんが、ハレさんへのブログコメントで「モデルになりたい!」って書かれていませんでした?
今度は彼女たちを是非描いてみてください!
私はその結果を拝見してから、モデルに立候補するか決めさせて頂きますね!
・・・あれ?f(^-^;)
注)ハレさん、冗談ですよ?どんどんお友達を描いてみてくださいね!楽しみにしています♪
GPS報酬期間中は(12日のメンテナンス前まで)、銀のボルコインを一日15枚いただけます!
忘れていませんか?大丈夫?
この機会にルーレットやスロットマシンで、思いっきり遊ぶのも良いですし、貯めておいてシュバリエ・エッジや、ロボピッチ・グレネードなどの高レート景品との交換もいいですよね!
そして、そのカジノボルワイヤルで、ユーザーイベントが開催されます!
ギンジローさん、緑茶王さんらが合同で主催される「カジノイベント TURNx」が3月7日の土曜日、夜10時よりユニバース07のカジノボルワイヤルにて開催されます。
このイベントでは、カジノのルーレットを使ったビンゴと、ルーレットの赤と黒のマスを使ったサバイバルチャレンジの2つのゲームが催されます。
私もギンジローさんやお友達とこのビンゴゲームのリハーサルを秘密裏に!?行ったのですが、すごく楽しめました♪
すごく良いアイデアだと思います(*^-^*)
詳しくは左のブログリンク集にある「心の足跡」か「緑茶王の暴走生活」をご覧下さい。
私も楽しみにしているユーザーイベントです。皆さんもご一緒にたのしみましょ?(^_-)-☆
そして、私ハルルも、ギンジローさんたちのイベントの翌週の土曜日、えと、3月14日ですね。
この日の夜10時から○×クイズイベントを開催させていただきます♪
よろしければお友達もお誘いあわせの上、是非ご参加下さいね(^-^)
さらにその翌週の週末には、ヅネわんたんさん主催の第19回哀グラも開催されます!
詳しくはこちらをクリック!→よしえさんってどなた???
20日の春分の日から22日までが開催期間となっているようですが、まだ暫定的なもののようですね。
詳細が分かり次第、私のブログでもご案内したいと思います。
ブログラジオ「ハルルのTurn Up The Radio!」では皆さんからのお便りを募集しています。
お便りの投稿はPSU内メール、または当記事へのコメントでいただくか、Witch Haruruのマイルーム掲示板へ投稿してください。
Witch Haruruのマイルームには検索用に「セレブケーキ 99999999メセタ」をお店に並べています。
PSUでの楽しいことや、情報提供、私への質問、ラジオの感想など、どんな話題でも結構です!
皆さんからのお便りをお待ちしてまーす(^o^)丿
今夜もお時間となってしまいました・・・、来週もまたTurn Up The Radio!
それでは、パーソナリティーはハルルでした。
バイバーイ!!
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←このお写真についての事だと思うのですが、「よく撮ったなぁ。」や「(月と)周りの風景を上手く撮るのは難しいと思います。」というコメントを頂きました。


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