9月も終わりに近づき、間も無く秋の深まる10月。
まだまだ日向に照りつける太陽は猛った夏の名残を感じるほど。だけど、頬に感じる心地よい風と、空に広がるいわし雲はすっかり秋模様。
本日2012年9月27日24時、グラールはその6年の歴史に幕を閉じます。
2006年8月31日に発売されたファンタシースターユニバース(以下PSU)。オンラインサービスも発売と同時に開始されたのですが、運営の予想を良い意味で裏切るユーザー接続数のために様々な不具合が生じました。
ログインが全然出来なかったのも、他ユーザーのマイルームへ飛ばされてしまったことも、今では良い思い出だよねと語るお友達の横顔にはPSUへの愛着が感じられます。
そして、同時接続数緩和のためにグラールはワールド1と2、二つの世界に分断されました。
私が選んだグラールはワールド2。
初めて降り立ったガーディアンズコロニー。そこからもう一人の私、ハルルの冒険が始まりました。
当時、両方のワールド事情を知るお友達から伺ったお話ですが、ワールド1のユーザーはPSUの「ゲームの部分」をより楽しむマニア層、ワールド2のユーザーはコミュニケーションも楽しむのんびり層という住み分けが見受けられたそうです。
ですから私としては、選択は間違っていなかったと言うこと。そして、そのことは、そんなワールドの特徴も反映された素敵なたくさんの出会いが証明してくれています。
PSU発売から一年後に続編「PSUイルミナスの野望」が発売され、ワールドの統合、新タイプの実装、新しいストーリーモード、新アイテムの数々、その他様々なアップデートがありました。
スタートの躓きの影響なのでしょうね、「イルミナスの野望」発売以後も前作発売当時のような賑わいと評価は得られなかったそうです。
それでも、楽しんでいた私たちにとってグラールが“素敵な場所”だったことに変わりありません。
そう、グラールには素敵なお友達との出会いがたくさんありました。そして、出会いの何倍もの思い出が、記憶のアルバムを紐解くほどにどんどん溢れてきます。
グラールは不思議。だって、そこではリアルの世界では決して無視の出来ない事柄、――例えばそれは年齢や性別だったり、住んでいる地域やお仕事だったり、そういう諸々のことに関係なく全ての住人が対等にコミュニケーションを楽しめる。そんな世界。
そう、そんな世界、リアルのどこを探したって見つかりません。
それまでの私の日常では決して出会い知り合うことの無かったであろう個性的なお友達。
箱入り・・・と言えばまだ聞こえは良いけれど、その実は単なる世間知らずの私。でも、「知ってる」よりも私は何事にも「知らない」と言える事のほうが幸せだと思っています。
だって、知ることは新しい発見。
知ることは新鮮な驚き。
知ることは新しい喜びだから。
世界の全てを知ることなんて出来ないから、だから毎日が面白い。
グラールでの出会いは、そんな新しく、新鮮で、驚きに満ちた喜びを私に幾度も運んできてくれました。
すごいでしょう?あの日から、こんな私にも日本全国にたくさんのお友達が出来たのです。
所詮はゲームと仰る方もいらっしゃるのかも知れません。だけど、違うんです。
ハルルは私の分身。グラールでの私。
モニターの前には生身の私、そしてモニターの向こうには生身のお友達。
PSUはオンラインゲームとしての「ゲーム」の部分も楽しいけれど、コミュニケーションツールとしても最高でした。
グラールのお友達はリアルの私にも良い影響を与えてくれました。
「以前と変わったね」個性的過ぎるお友達も大勢いらっしゃいますから、良い影響だけではないかもしれませんが(冗談ですよ?)、「変わったね」は私にとっては嬉しい言葉なんです。
気の置けない仲間たちと過ごすグラールでのひと時はいつも最高の、素敵な時間でした。
『人間どうし』ですから、嬉しいことも、楽しいことも、悲しいことも、切ないこともありました。
冗談もあれば、そこにはシリアスもありました。
出会いもあれば、別れもありました。
今はその全てが、キラキラと輝く宝石のような思い出となっています。
“ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある人と、栖(すみか)とまたかくのごとし。”方丈記の一節です。
人も、その住みかも、河に流れる水のように時間の流れには逆らえず、淀みに浮かび出ては消える泡のようにいつまでも同じままそこには居られない。世の中の全てのことは変化していくものだと、切なくも当たり前のことが書かれています。
日進月歩のデジタルコンテンツにおいて、サービス提供6年という歳月は決して短いものではないはずです。
ユーザーに愛され、SEGAさんも大切なコンテンツとして提供されてきたからこその6年だと思います。
PSUの終幕にはPSO2(ファンタシースターオンライン2)というファンタシースターシリーズの後継サービスが開始されたことの影響は多大なものだと思います。
楽しんでいた私たちとしてはPSUが役目を終えたと考えるのは寂しいことなのですが、これもやはり仕方の無いことなのでしょうね。
今夜24時、魔法は解けてしまうかも・・。ううん、きっと魔法は解けません!
ガーディアンズ・ハルルの冒険は終わってしまうけれど、私の冒険はずっと続きます。
ありがとう。
ありがとう。
他には言葉がありません。PSUで、グラールで私に関わってくださった全てのことに、全ての皆さんに、本当にありがとう。
今夜もお友達の笑顔が見たいから、私はグラールへ行きます。
ご一緒に楽しみましょ?
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